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神代欅―太古の昔(1000年以上前)に天災により倒木し土の中に埋没され、腐ることなく良い状態のまま保存された木材。濃い古色が木の芯まで緻密に染まるには千年、二千年の月日が必要です。色目などは、保存される土の性質などにより違いがあるようです。 なんともいえない神秘的な木の世界です。
数年前、棟梁について材木を見に行った時、在庫掃除の際に出て置き場所に困っ
て置かれたようなヤケ古びてひね曲がりのでた一本の木材に目が留まりました。
一瞬でその木に魅かれたのですが、口に出せずいました。
帰る時間になって、後ろ髪引かれる思いになった私はこの木の値段を訪ねました
困った顔をしたような材木屋さん、値段のつけようがないとの事。
「この木が気に入って、できるなら買いたい!」と伝えたのですが返事がなく、
あきらめていました。が・・・なんと数日後、我が家にこの木が届きました。
棟梁の顔もあり、材木屋さんからの送り物です。
これが神代欅との出会いでした。
当初は、そのままデッキのベンチとして使っていたのですが、和室のテレビ台
にして欲しいと頼みました。
やけた部分、ひねた部分を削りカンナで仕上げたところ、何とも言えない色目の
カウンターができました。脚は切り落とした端材から同素材で揃えて造ってもら
いました。塗料でつけた色でない本物の古色色、お気に入りです。
値段をつけれなかった材木屋さんの思いを、棟梁の手によって新たな生を吹き込
んだ事で報われ、意味のある事にしたのかなと思います。大切にします。